
外壁塗装に使用する塗料には大きく分けて「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「ラジカル」「フッ素」「無機」など色々なグレードや水性・油性・1液性・2液性といった種類があります。塗料の中に含まれる合成樹脂の種類や付与された機能によって耐用年数と価格が変わってきます。
ご自宅の状況・環境・ご予算・今後のライフスタイルなど踏まえて総合的に判断し、最適な塗料を選びましょう。
アクリル塗料
アクリル塗料は、アクリル樹脂を主成分とする塗料です。プラスチックやボールペン、コップ、照明器具、看板などにも使用されています。
【特徴】
- 透明度が高く、色を鮮やかに見せる
- 変色しづらい
- 水蒸気を通す透湿性があり、湿気を溜めにくい
- 価格が安い
【用途】
- 室内、屋外や鉄部、木部、外壁、屋根など、使用する環境や部位によって、どのタイプが適しているか異なります
【デメリット】
- 耐久年数は他の塗料に比べて低いため、住宅の屋根・外壁塗装で使われる頻度は非常に少なくなっています
- 紫外線に対する耐久性が低く、劣化の原因となるラジカルが発生しやすい
- 酸化還元反応が起こりやすく、光沢感の喪失や変色、汚れなど、他の塗料と比べると塗膜の劣化が早い傾向があります
ウレタン塗料
ウレタン塗料は、ウレタン樹脂を主成分とする塗料で、柔軟性や耐候性、密着性に優れています。建築や自動車、家具など幅広い用途で使用されています。
【特徴】
- 柔軟性があり、光沢がある
- 耐候性、耐薬品性、耐傷性に優れている
- 密着性が高いので、塗膜がはがれにくい
- 防水工事に向いている
- 傷に強いため、メンテナンスが楽
【用途】
- 上塗りとして
- 一液湿気硬化型の下塗り
- 低温硬化型塗料
- 木部、塩ビ製樹脂素材、鉄部などの塗装
- ベランダ防水
【デメリット】
- 耐久年数が短い
- 紫外線に弱く、変色しやすい
- 防汚性に劣る
- 湿気の影響を受けやすい
シリコン塗料
シリコン塗料は、シリコンやアクリルシリコン系の樹脂を主成分とする塗料で、外壁や屋根の塗装に用いられます。耐候性や耐久性に優れ、汚れがつきにくいのが特徴です。
【特徴】
- 耐候性や耐久性に優れている
- 汚れがつきにくく、雨やホコリなどを弾く
- 紫外線による劣化への抵抗力が高く、チョーキング現象が起こりづらい
- 透過性があるため雨水を通さず、塗料内側の湿気を外へ放出するため、内部結露やカビが起きにくい
- 高光沢でツヤのある仕上がりになる
【用途】
- 外壁や屋根、手すり、木工品、内壁など、さまざまな場所の塗装に用いられます
【デメリット】
- シリコン塗料は硬く、柔軟性が低いため、温度変化や建物の動きに対応しきれず、ひび割れが発生しやすい
- 黄変しやすい
- 湿度が高いと使用できないため、使用場所を選ぶ必要がある
ラジカル制御塗料
ラジカル塗料とは、塗膜の劣化を抑制する効果がある塗料で、外壁や屋根の塗装に用いられます。従来の塗料に特殊な成分を配合することで、塗膜の劣化の原因である「ラジカル」の発生を制御しています。
【特徴】
- 耐久性・耐候性に優れている
- チョーキング現象が起こりにくい
- 光沢が持続し、防汚性・防カビ性に優れる
- 塗装しやすい
- コストパフォーマンスに優れている
【用途】
- 住宅やビルの外壁塗装、 屋根の塗装
【デメリット】
- ラジカル塗料に含まれる高耐候酸化チタンは白い顔料のため、濃い色を選べない可能性がある
- ラジカル塗料の耐用年数は、最長で約15年と公表されていますが、開発・販売されてからまだ約10年ほどしか経っておらず、正確な耐久性が実証できるほどの実績がありません
フッ素塗料
フッ素塗料とは、蛍石(ほたるいし)を原料とするフッ素樹脂を配合した塗料です。耐久性や耐候性に優れ、住宅やビルなどの外壁塗装に広く使用されています。
【特徴】
- 耐久年数が長く、メンテナンス周期が長い
- 紫外線による劣化を防ぐ耐候性が高い
- 雨水で汚れを落とす親水性が高い
- 防カビ・防藻性が高い
- 耐摩耗性が高く、光沢を長期間維持する
- 耐薬品性にも優れている
【用途】
- 高層ビルやマンションなどの大型建造物
- 一般住宅の屋根や外壁、シャッター
- 航空機
- 調理器具
- 半導体などの精密機器
【デメリット】
- 価格が高い
- 塗膜が硬くひび割れする恐れがある
- 再塗装が難しい
無機塗料
無機塗料とは、無機物を主成分とした塗料で、紫外線に強く耐久性に優れています。外壁や屋根の塗装に適しており、長期間にわたって美観を保つことができます。
(ガラスや鉱石、レンガなどの無機物 セラミックやケイ素などの無機物)
【特徴】
- 紫外線に強く、劣化しにくい
- 燃えにくい
- 汚れにくい
- カビやコケ、藻が生えにくい
- 耐用年数が高い
【用途】
- 外壁塗装、 屋根塗装
【デメリット】
- 価格が高い
- ひび割れしやすい
- 再塗装の際に新しい塗料と旧塗膜がうまく密着せず、早期に剥がれてしまう可能性がある
【無機塗料の注意点】
- 無機物のみを原料とする無機塗料は少なく、多くは有機物を含んだハイブリッドとなっています
- 無機塗料は何パーセント以上の無機物を配合しなければならないといった決まりはありません
下塗り塗料
外壁下塗りとは、外壁塗装の際に最初に塗る塗装工程で、外壁材と上塗り材を密着させる役割があります。塗装の仕上がりや耐久性に大きく影響するため、外壁塗装の基礎となる重要な工程です。
【外壁下塗りの役割】
- 下地を丈夫にする
- 錆の防止
- 傷んだ下地を覆い隠す
- 上塗り用塗料が外壁材に吸収されるのを防ぐ
- 発色や色ムラを整える
- 壁面の凹凸や細かい傷を埋める
【外壁下塗りの種類】
- シーラー、プライマー、フィラー、サーフェーサー、サーフ
【外壁下塗りの選び方】
- 外壁の状態や下地処理の状況によって、使用する下塗り塗料(下塗り材)が異なります。
- 防カビ機能や防サビ機能、遮熱機能などがある下塗り塗料もあります。
- 住宅の悩みや懸念に応じて機能性の高い下塗り塗料を選ぶと、外壁のメンテナンスが楽になります。
シーラー
塗料シーラーとは、外壁や屋根などの塗装の際に、下地処理として最初に塗る塗料です。塗装面と仕上げ塗料の密着性を高めたり、塗料の吸い込みを抑えたりする役割があります。
【シーラーの役割】
- 塗装面と仕上げ塗料の密着性を高める
- 塗料の吸い込みを抑え、ムラを防止する
- 下地を補強する
- カビやサビを防ぐ
【シーラーの種類】
- 水性タイプ:臭いが少なく室内塗装にも適している
- 油性タイプ:浸透性が高く補強効果に優れている
- ヤニ止めシーラー:タバコのヤニや雨じみなどのシミを抑える効果がある
- コンクリート強化シーラー:モルタルなどの下地を強化する
- カチオンシーラー:内外壁に幅広く利用できる
プライマー
塗料のプライマーとは、塗料の下地処理に使用する塗料で、下塗り塗料とも呼ばれます。英語の「primary(最初の)」に由来しています。
【プライマーの役割】
- 塗料の密着性を高め、剥がれにくくする
- 塗料の吸い込みを防ぐ
- 下地の通気を抑制する
- 下地を保護することで外壁自体の劣化を防ぐ
- 吸水防止や防錆効果などがある
- 下地の状態を整え、塗料の吸込みを調整する
- ムラのない均一な仕上がりを実現する
フィラー、サーフェーサー
塗料のフィラーとは、外壁塗装の下塗り材として使用される材料で、下地の凹凸を埋めて平滑にする役割があります。サーフェーサーとも呼ばれます。
【フィラーの特徴】
- 下地のひび割れや凹凸を埋めて平滑にする
- 塗料ののりを良くし、塗膜の剥がれやひび割れを防ぐ
- パテ効果や防水性がある
- シーラーよりも粘土が高く、下地に厚みがつく
【フィラーの種類】
- シーラーとフィラーの機能を兼ね備えた微弾性フィラー
- カチオン性樹脂を加えたカチオンフィラー
【フィラーの用途】
- モルタル壁やスレート屋根など、表面が傷んでいたり、凹凸が多い素材に特に効果を発揮する
- モルタル系外壁材の塗り替え工事に最も使われている外壁下塗り材
- 劣化が進んだスレート屋根に使われることもあります
【フィラーの施工方法】
- ローラーや刷毛で施工する
- 中毛や長毛のウールローラーやマスチックローラーを使って塗る
サーフ
塗料のサーフとは、下塗り塗料の一種で、外壁塗装などに使用されます。サーフは、上塗りの密着性を高めたり、外壁の凹凸を埋めて平らにしたりする効果があります。
【サーフの特徴】
- 錆止めなどの顔料が含まれている
- 上塗りの密着性を高める
- 上塗りの色の明確差を出す
- 外壁の凹凸を埋めて平らにする
- 防藻・防カビ性能がある
- ホルムアルデヒドの放散が少ない
- 隠ぺい性が高い
- 細かなひび割れに対応できる微弾性機能がある
- 耐候性が高い
- 下地の強度を高める
【サーフの用途】
- 外壁塗装(サイディングなど、 窯業系サイディングボードの塗り替え。



